2011-04-28

ドヘミの歌

今年は、日本語以外の授業をいろいろ受け持たせていただいています。

その中でも、わたしが力を入れたいと思っているのが音楽です。

子どものうちは、
イスにじっと座って知識だけを詰め込むよりも、
じっくりと時間をかけていろいろな芸術に触れて感性を磨く方が
その後の成長にプラスにはたらくと思います。

ブラジルでは美術や音楽の授業があまり重視されてこなかったようですが、
近年、それら情操教育に力を入れる動きが高まっているらしいです。
この動きには大賛成です!!




さて、
配属先からは、音楽の授業で日本の童謡を教えてほしいという要望があったのですが、
日系率15%程度の学校で、いきなり日本の童謡は難しいと思い、
まずは世界中で親しまれている歌を、ポルトガル語と日本語で歌ってみることにしました。

最初に選んだのは『ドレミの歌』です。
サウンド・オブ・ミュージックの中でも知名度はかなり高い曲だと思います。
でも、日本では知らない方が珍しいくらいだと思っていたこの曲も、
ブラジルでは意外と知らない子が多いようです。
多分、学校での音楽の授業が徹底していないため、聞く機会があまりないのだと思います。
メロディを知っていれば日本語でも歌いやすいかなと思っていたので、かなり想定外でした…。




調べてみると、
歌詞もいくつかのパターンがあるようです。

その中には
いきなり「ドはあわれみのド」という
どんよりしたフレーズで始まるものもあり、
いくつかを比較して
一番明るくて歌いやすそうなものを
選びました。

そして、
音階ごとに色を変えて作った歌詞を
黒板に貼りました。






その歌詞の隣には、同じ色で作った日本語の歌詞を貼りました。
歌詞カードや楽譜を配るよりも、
前を見て歌えるし、指導しやすいのでこっちの方が好きです。







日本語の歌詞は、
「ドはドーナツのド」よりも
「どんなときにも…」という
あいうえお作文風になっている方が
日本語のすばらしさが出ていると思うので
2番の方にしました。










「ん」が一つの音節になることや、「を」や「っ」の発音など
ブラジルの子どもたちには難しい点がたくさんあります。
何より、ブラジルでは「ドレミ」でなく「ドミ」なのです!!

音楽の先生の助けを借りながら、
音階をつけずにリズムだけで歌詞を練習しました。
「ど、んな ハイ!!」 「ど、んな」
「ど、んな、とき、に、も ハイ!!」「ど、んな、とき、に、も」
こんな感じで何回も繰り返して練習します。
ブラジルの子どもたちはリズム感がいいし、体全部でノッてくれるので、
楽しく発音練習ができます。





そして、
今回ちょっと冒険してみたのが
「ハモる」ということです。

1番と2番の間の部分を、
「ドミミ、ミソソ、レファファ、ラシシ」と
「ソ、ド、ラ、ファ…」とに分かれて
歌ってみることに。






日本だと二部や三部合唱は小学校でもすると思います。
でも、ここの子どもたちは「ハモる」ということをほとんど経験してきていません。

5年生は3クラスあるので、クラスごとに別パートを歌って
合同で歌うときにハモれるようにしました。
まだまだ練習が必要だけど、「自分のパートをしっかり歌う」という意識はもてたようです。


他のことに使うために映像を作ったので、ついでに下にアップしてみました。
歌の合間には、幼稚園から小学生までの絵が登場します。
子どもの顔が映らないように画像を落としてあるので多少見にくいですが…。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ お時間のある方はご覧ください ↓ ↓ ↓ ↓ ↓




次は『小さな世界』に挑戦しようと思っています。
この曲も有名だし、ハモりも入っているので。
でも、先日歌詞を調べようと思って検索したところ、
ちょっと心配になってきました。
その理由はコチラ↓ ↓ ↓




大好きな音楽の授業、子どもたちと楽しみながら頑張りたいです♪


Bonito旅行 ベスト3

旅行は新発見&初体験の場。
今回のBonito旅行でも、たくさんの思い出ができました。
そのBest3を紹介します!!


☆その1☆  巨大蜘蛛との遭遇



森の中を歩いていたら
大きな蜘蛛がいました!!

テンションが上がったわたしは
何も考えずに
木に駆け寄って蜘蛛の下にスタンバイ。







「もし頭に落ちてきたらどうするの!?」
という友だちの助言を聞いて
ハッと我に返り、
こんな顔になってしまいました…。
眉間に超シワよってるし。。。








☆その2☆ 天然の滝に打たれての修業




Boca da onça(豹の口)という名前の滝にて。

水はとても冷たくて、
滝はものすごく痛かったです。

女子4人が修行僧ポーズをしている横で
師匠がガッツポーズをしています。

この後、
866段の階段を上る修業も行いました。
疲れた~!!








☆その3☆  カピバラ料理に初チャレンジ 


旅行でわたしが毎回楽しみなのは
食べたことのないものを食べること。

今回は、
カピバラを初めていただきました。
あの
世界最大の齧歯類(げっしるい)です。

写真右上の丸いのがそれ。
その下がワニの肉。
その左がイノシシ。
一番左がパクーという魚です。



カピバラは豚肉のような食感でした。
どれも味付けが濃いめでしたが、おいしかったです。




貴重な体験がたくさんでき、この4日間の旅行は大満足でした。
ブラジルは本当に「所変われば」という言葉がぴったりだと思います。
いろいろ行ってみたいです。




Bonitoでリフレッシュ!!


ブラジルでは、イースター祭のための祝日があります。
(イースターについての記事は書くタイミングを逃したので、
機会があればそのうち書きます)

そのため、21日(木)から24日(日)まで4日間の連休がありました。
同期ボランティアの仲間と、マット・グロッソ・ド・スウ州のBonitoというところへ行ってきました。


Bonitoとはポルトガル語で「美しい」という意味ですが、
ここはその名のとおり、
見渡す限りの大草原や澄み渡る川で泳ぐ魚の群れなど
豊かな自然に恵まれたところです。


青い空の下、舗装されていない赤土の一本道がずっと続きます。 
その両側には
柵が見当たらないくらい広すぎる敷地の中で
牛やヤギや羊たちが、ひたすら草を食べています。


牛の間に見える茶色い岩のようなものは、なんと蟻塚。
こんなに大きい家を作るなんて、アリってすごい!!
大アリクイもいました。





シュノーケリングでは、
川に住む魚たちと一緒に泳ぎ、水の世界に浸りました。
ダイビングのライセンスをとってから、長いこと潜ってなかったので
久しぶりの感覚に感動しました。

音のない世界の中で、
鱗が光を反射してまぶしいくらいにきらきら光る様子や
自分の手の甲に映る水の揺らめきを見ていると
なんだか時が止まっているみたいな錯覚に陥ります。

写真が撮れなかったのが残念…!!


サンパウロ市内は空気が悪く、
郊外に住む人からは「サンパウロ市の方を見るといつも空がよどんでるよ」と言われます。
久しぶりに市内に遊びに来た友だちは、
そろいもそろって咳やくしゃみをするし…。
そうとう空気が汚いんだと思います。

わたしは自覚症状は今のところはありませんが、
市外に出ると、やっぱり空気がおいしいなと感じます。


Bonitoで美しいブラジルの自然にたくさん触れ、心身ともにリフレッシュできました!!


瑠璃色に光る水

Bonito旅行で一番楽しみにしていたのはGruta do lago azul(青の洞窟)を訪れること。

その昔、テレビでイタリアの「青の洞窟」特集を見てから、
いつか絶対に行きたいと思っていました。
ですが、
「青の洞窟」と呼ばれる観光名所は世界中にあり(沖縄にも!!)、ブラジルにも存在するのです。
知らなかった!!
イタリアと沖縄はまたいつか訪れることにして、
今回はブラジルの青の洞窟へ行ってみました。






記念撮影が終わったら
ヘルメットを着用し、
いよいよ洞窟の中へ入ります。






洞窟の中は岩だらけで、ちょっと怖いです。


    写真中央下の
    白っぽい塊は
    前のグループの人たちの
    ヘルメット。

    あんなに下まで
    降りて行くのです。
    行きもこわいけど、
    帰り道を考えると
    大変そう…。








少し下ったところで上を見上げると
光がさしてきれいでした。

火の鳥(黎明編)を思わせる光景。







鍾乳洞をずっと下っていくと、
奥の方がほの暗い空洞になっているのが見えます。
かすかに青っぽいです。
ゴールはもうすぐかなあ。ドキドキ。。。






さらに奥へ奥へと下っていきます。











そしてついに…!!!











すごーーーい!!





















もう「Nossa!!」としか言いようがありません。
みんな大興奮で写真を撮りまくっていました。


太陽の光がうまく入ったときに水面が青く輝くこの洞窟。
今回は快晴というわけではなかったので、
きれいに見えるのは瞬間的なものでしたが、とても感動しました。
(ちなみに、上の写真はプロの人がいいカメラで撮ってくれたものです)
水って神秘的です。

青は、憂鬱や寂しさを象徴する色ですが、
同時に落ち着きを与えてくれる色でもあります。
幻想的な青の空間に包まれて、
なんだか心が軽くなった気がしました。


Bonitoに来てよかった!!と感じたひとときでした。

2011-04-26

ブラジル流? わたし流?


先週、うれしいことがありました。

授業が終わったあと、生徒たちの机とイスを整頓するのがわたしの日課でしたが、
この日はほとんど動かさずに済んだのです!!

日本にいるみなさんの多くは、これを読んで「普通じゃん」と思うことでしょう。





日本では、
席を立つときにイスをしまったり机をちょっと整頓したりということは普通です。
ゴミをさっと拾ったり、さりげなく一か所に固めておいたりすることも珍しくありません。
でも、ブラジルでは
大人でさえ、立った後にイスをしまわないし
ゴミも、ゴミ箱に捨てないで床に落としたり机の上に残したままだったりということが多いです。

自分が使うために動かしたものを、使う前の状態に戻しておくという概念が基本的に無いです。







ある日の風景。

算数の授業を終え、
音楽室へ移動した後の教室です。

イスは出ているし
かばんやペンケースも
使ったそのままの状態です。







ブラジルの子どもたちは、これを「悪いこと」としてわざとやっているわけではありません。
わたしもこれが「悪いこと」だと思ってここに書いているわけではなく、
日本とブラジルの間の違いがとても大きいという一つの例として挙げているまでです。
もちろん、
イスを出しっぱなしにしているのが日本人だったら「行儀の悪い人!!」と思うでしょうが…。
とにかく、ブラジルの「普通」は日本の「普通」と大きく違います。



ですが、
今年度の日本語授業では
日本式の教室内ルールをいくつか徹底させようというのがわたしの目標の一つです。

それは、
言語にはその国の文化が表れるし、生徒にもそれを感じてほしいと願うからです。
何を美しいと感じ、何を敬い、何を優先させるのか。
特に、謙譲語や美化語などは、日本的感覚がないと理解に苦しむと思います。
その辺のことも授業を通して伝えていけたらいいなあと思い、
今年は去年よりも「わたし流」を出していきたいなと考えています。

☆授業中には水を飲んだりお菓子を食べたりしないこと
☆トイレは始業前に行っておくこと
☆ゴミは机上に固めておき、授業後にゴミ箱に捨てること
☆帰るときは、机とイスを整頓すること
  ※もちろん、緊急のときはこの限りではありません

などです。


去年は、ブラジルに来てから、ギャップの大きさに戸惑うばかりで
なかなか自分の思いを実現できずにいました。
「こうしたいなあ」という思いはあっても、
そのやり方を通すのがよいのかどうか、悩むことが多かったです。
一度「こうしましょう」と言ってみたものの、あまり継続できなかったこともたくさんあります。


今後、
少しずつ前進しているなという実感を信じ、「わたし流」を続けていきたいです。


2011-04-18

学校視察レポート⑥

土曜日、
同期ボランティアが勤めるColégio Marupiara(マルピアラ学園)の行事に参加してきました。

その名も「Bunkasai」!!
でも、日本の文化祭とは少し違い、日本文化に親しむというコンセプトの行事です。
マルピアラ学園では、毎年この「Bunkasai」を行っていて、
毎年いろいろな日本文化を取り上げるそうです。

以前、こちらの学校には一度おじゃましていますが、
やっぱり行事のときは雰囲気が全然違います。
学校に入ってすぐ、真っ赤なとりいのモニュメントが迎えてくれました。


校内には、日本語の掲示物がいっぱい。
日本地図や、地震をテーマに描かれた絵、日本の童謡など、
この日までに各学年の生徒が取り組んできた作品の数々が
学校中に展示されていました。  





中央会場には、平和、不屈、希望などの言葉が掲げられていました。
そう。今年は例年と少し趣向を変えて、
日本に向けてのエールがテーマになっているのだそうです。


 



一分間の黙とうの後、
甚平姿のカルロス先輩が登場し、
ラジオ体操のスタートです。





大いに盛り上がり、
参加者はみんな楽しそうでした。



体操が終わると、
生け花、そろばん、囲碁、漫画などの文化講座が各教室で開かれたり、
剣道、太鼓、空手の発表が行われたりしました。
バザーや食堂の収益は、日本へ募金として送られるそうです。

カルロス先輩の担当する書道教室。
初めて書く人にもすぐできるように、
カタカナで「ユメ」という字を書くものでした。
家族連れで書道を楽しむ姿が多く見られ、
たくさんの人たちが墨の香りの中でゆったりと楽しく時を過ごしていました。




全伯優勝経験者による剣道の発表もありました。
気合いの入った声と同時に一気に竹刀を振り下ろす姿に、
観客たちは「Nossa!」の連続。
実際に竹刀を触ったり、気合いの声を一緒に出したりする
体験的活動も含まれていて、
とてもおもしろい発表でした。



さて、
イベントの内容が充実していたこともすばらしいですが、
わたしがそれ以上に関心したのは、
生徒の手によってこの行事が運営されていたという点です。

                               

音響や照明、食堂での販売員など、
あちこちで生徒が動いていました。

幼稚園から高校生までの全校生徒が一緒になって作り上げる一大イベント。
わたしの勤務先はとても大きいので
なかなか全校で一つのことをする機会がもてません。

でも、みんなで一緒に行事をつくりあげる楽しさや難しさを知ることは、
この先きっと役にたつし、とても大事なことだと思います。
そういった意味で、今回の「Bunkasai」に参加できたことは
わたしにとって貴重な体験となりました。
やっぱり学校行事は楽しいです!!


 

街中が文化祭!!

先回の記事では、秋の味覚である柿を紹介しました。
日本では、秋といえば「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」など
いろいろな秋の楽しみ方がありますが、
ここブラジルにも「文化芸術の秋」という感覚はあるようです。

この土日、Virada Culturalという文化のお祭りがサンパウロ市中心部で行われました。
音楽、演劇、映画、手品など、いろいろな分野のショーが、
サンパウロ市内の各所で2日間連続夜通し(!!)で催されました。





すごい数の人が
いろいろな文化を夜通し楽しみます。

道端の小さなステージ、
公園の特設会場など、
街中が舞台です。







鑑賞は無料。
パンフレットを頼りに、目当てのイベント会場へ行ったり、
散歩がてら自分の気になったところでふと足をとめてみたり、
それぞれの楽しみ方で時間を過ごすことができるすてきなイベントです。
ビルに映画が映し出される場所もありました。





素人っぽい人たちからプロまで、
出演者もいろいろです。

中には
500人のバテリア(打楽器)奏者が
一堂に会すというものも
あったみたいですが、
あいにく見るこができませんでした。
残念…。




わたしの故郷、岡崎でも
二日間に渡ってJAZZが街中で演奏されるイベントが秋にあります(岡崎はJAZZの街です)。
夜通しではないですが、
いろいろなバンドの演奏が聴けて、とても楽しいです。

国は違っても、
文化芸術を楽しみながら秋を味わうという心は同じなのかなと思いました。




いやあ、それにしても
ブラジル人は元気です!!
大人も子どもも、夜中まで動きまわって騒ぎます。
わたしが帰る頃、
地下鉄の駅は今から出かける人で大混雑でした。
何でも明るく楽しんでしまう彼らのパワーには、いつも本当に驚かされます。



2011-04-17

秋の味覚

ブラジルは秋。
実りの季節です。

広い国土と豊かな自然のおかげで、
ブラジルではいろいろな果物を一年中食べることができます。
ですが、やはりそれなりに旬もあるようで、
旬のフルーツは値段が安くなったり色も普段よりおいしそうになったりします。


で、少し前からスーパーで見かけることが多くなったのがです。
その昔、日系人が持ち込んで栽培を始めたという柿は、
こちらでもそのまま「カキ」といいます。
KAQUIとかCAQUIとか表示されています。






近所のスーパーでは、
小さくてすごく熟れたものと、
大きくてかためのものの二種類を
いつも売っています。

この写真は大きい方の柿。
おいしそうでしょ?







 熟れたのも嫌いではありませんが、
ベストなのは熟しすぎずかたすぎずの微妙なライン。
包丁で切った時に角が崩れずきれいに形が出るけど、食べたときに音がしない感じ。
そして種のまわりがちょっとゼリーみたいになってると言うことなしです。

そんなことを考えながら、買ってきた柿をさっそく切ってみると…!!



完璧です。

しかも種がない!!
それでいて
種の部分はちゃんと
ゼリー状になっている!!

ブラジルの柿、すごいです。






もちろん、味も最高でした。


ブラジルにいると、食べ物で季節を感じることが日本ほどありません。
でも、柿を食べるとやっぱり「秋なんだなあ」という思いに浸ることができます。
季節を感じられて、おいしくて、その上ビタミン豊富な柿。
秋の間にたくさん味わいたいと思います。