2011-09-29

春のちぎり絵 作品紹介

日本文化授業で作った「春」がテーマのちぎり絵作品を紹介します。
まずは幼稚園組のもの。



形はとてもシンプルですが、
いろいろ組み合わせてカラフルなお花畑にしました。
茎はちょっと難しいかなと思い、わたしがちぎりました。





続いて小学生組の作品です。



 複雑な桜の花びらの形も、集中して作っていました。




今回の作品作りを通して、
みんなで一つの絵を完成させる活動っていいなと感じました。
また別の機会にもやってみようと思います。


ちぎり絵で春の絵を作ろう

木曜日は日本文化の授業の日です。
今回は、ちぎり絵を紹介しました。

高校か大学生くらいのとき、ちぎり絵にはまって
よく部屋でちまちまと作っていたのを思い出します。
地味な作業だけど、作り出すと止まらないんですよね。




授業の始めに
作品を数点見せ、
ちぎり絵とは何かを
簡単に説明しました。

この授業、
回を追うごとに
子どもたちの食いつきが
よくなってるなと感じます。
日本文化って
魅力的だと思います。




さて。
日本からシールやスタンプなど授業で使えそうなグッズを
いくつか持ってきているのですが、
どのタイミングで出そうか悩んで、未だ眠っているものがいくつかあります。
そのうちの一つが和紙セットでした。

今回を逃すわけにはいかない!! ということで、
色も質感も様々な和紙の数々を机に広げ、子どもたちに触ってもらいました。
繊細でやわらかい和紙に、「ブラジルの紙と全然違う!!」とみんな驚いていました。



 

その後、
あらかじめ輪郭を描いておいた
和紙を一人一人に配り、
ちぎる体験をしてもらいました。 

いつもはすごくにぎやかなのに、
今日は黙々と
作業に没頭していました。 







子どもたちから集まったパーツを組み合わせて、一枚の絵を作っていきます。





ブラジルでは
先週から春が始まりました。

それにちなんで、
今日は日本の春の絵を
作ってみました。










作っておいた木に
花びらや葉っぱを
貼っていきます。






桜の絵が完成した後は、
一人一人、「春」をテーマにした好きな絵を描いて、
和紙をちぎってその上に貼っていく活動をしました。




とっても細かいパーツを
地道にちぎっては貼り、ちぎっては貼り…。

集中力をつけるには
もってこいの活動だと思います。






慣れてくると、
パーツを先にたくさん作って
一気に並べて貼るなど
工夫して作業を進める子も
でてきます。





 

花びらをたくさん貼って
和紙ならではのボリューム感がある
作品を仕上げた子も。
かわいいです。



 



そして、今回うれしかったのは、
先生方も一緒に作ってくださったことです。

「日本人のすることはどうしてこんな細かくて手がこんだものばかりなの??」
「この作業は指先を使うから脳によさそうね。」などと言いながら、
作品作りに熱中していました。





こちらが先生の作品。
ちぎり絵を
とても気に入ってくださったようです。









幼稚園児も
がんばって挑戦しました。

和紙は厚いので
ちぎりにくいです。
「できな~い!!」と
ギブアップする子もいましたが、
ちぎる作業を気に入ってくれた
子もいました。







どんな作品ができあがったかは次回の記事で!!





日本語で話そう

小学生の日本語授業は週2回。
生徒たちは、授業以外の時間は日本語をまったく使わないので
なかなか定着しません。

そこで、教室の中ではなるべく日本語で話す時間を増やしたいなと感じ、
「教室でよく使うフレーズ集」の掲示を作りました。
以前ブラガンサパウリスタの日本語学校を見学したときに見て
いいなと思った掲示を参考にしました。




ピンクと緑の色画用紙を
一人1セットずつ配り、
ピンクには日本語
緑にはポルトガル語訳を
書くよう指示しました。

その後、自分が書いた文を
みんなの前で発表しました。






もう一つ、号令用の掲示も作りました。
わたしの授業では、始めと終わりに
日直があいさつの号令をかけることにしています。





日本では一般的な
この習慣ですが、
ブラジルでは
あまり見かけません。









みんな集中して
よく頑張りました!!







この掲示を機に、
少しでも多く日本語が飛び交う教室になったらと思います。



 

2011-09-27

難しい!! 音楽指導

先週は、
いじめに関する授業や出前授業、日本の怪談についての授業などに加えて
土曜日の作文勉強会もあったので、とってもハードでした。

引き続き、今週もかなりキテます。。。
今日は7コマも授業をしました。
(ちなみに、今までの最高記録は9コマ(!!))
たくさん授業をさせてもらえるのはありがたいことです。



ただ、
体力的には全然OKなのですが、どうも精神的に・・・。



言いたいことがうまく言葉にできない苦しさや、
伝わったと思ったことが伝わってなかったりするもどかしさは、
ずしんと重い疲れになって溜まっていきます (-"-)
悔しいーーー!!! めっちゃ悔しい!!!!
なんだろ。日本にいたらきっと感じてない気持ちなんだろうなと思います。


今日の授業のうち6コマは音楽だったのですが、
音楽の指導は特に言語の問題が足を引っ張ります。
もっと表現豊かに語ることができたら…という思いでいっぱいになります。




さて、
音楽では、年度末の発表会に向けて、
各学年ごとに調べ学習を進めている内容に合わせた歌を練習しています。
2年生はおとぎ話に関する歌、
3年生は伝説(昔話)に関する歌、
4年生はおばけに関する歌です。
うーん、おとぎ話と昔話の区別に結構悩みました。

考えた結果、
2年生は「虹の彼方に」。子どもたちはポルトガル語でも歌います。
3年生は「桃太郎」。既に物語のDVDを見せました。
4年生は先回の授業を踏まえ「おばけなんてないさ」にしました。



もやもやした気持ちもいっぱい感じた今日ですが、
一生懸命に難しい日本語の歌詞で歌う生徒たちの姿に
たくさん元気づけられもしました。

↓ ↓ ↓4年生の授業の様子をアップしました。↓ ↓ ↓
(うちの学校ではプロジェクターを使う習慣があるので画像が暗いですが…)



まだまだ練習が必要なので、
来週も音楽の授業を引き続き行う予定です。

ほんやくコンニャクが欲しいなあ。。。




2011-09-25

作文勉強会③

8月頭から始まった作文勉強会も、
昨日24日(土)で無事に最終回を終えました (ノ_-;)フゥ


これまでの講義では、
書く意欲を高める活動案、魅力的な文章にするための手だてなどを紹介してきました。
今回は、
指導や評価のポイントと、作品コンクールに向けた内容を話しました。

実際に子どもたちが書いた作品をみんなで読んで意見を交流したり、
硬筆コンクールの課題文を作る体験をしてもらったりしました。
そして、最後には
今まで自分が行ってきた活動(書くこと領域に関わらず)を紹介しました。



わたしは、日本語指導について理論的なことを話せる立場ではないので、
参加してくださった先生方が明日からの授業のヒントにできるようなアイディアを
提供できたらなと思いながら、講義をしてきました。

だから、講義の後で先生方から
「こないだの活動例をやってみたら、生徒がたくさん書いてくれたよ。」とか
「あの映像素材、見たことないから今度使いたいわ。」とか
たくさんのご意見を聞くことができたときは、
ちょっとでも役に立てたのかなあと嬉しくなりました。




そして、なんと次は
音楽と美術の実践について講義をする機会をいただきました。
専門外の教科ですが、
配属先の学校で実践した例などを踏まえて、頑張りたいと思います。

ブラジルにいられるのもあと半年を切っています。
自分のもっているもの、自分にできそうなこと、
全て出しきって日本に帰りたいです。



                  ☆参加してくださった先生方と記念撮影☆

2011-09-24

出前授業をしました

今週の木曜日、配属先とは違う学校で出前授業をしました。

去年の8月にも来たことがあり、
ブラジルで初めて授業をした学校です。

この学校では、1年生の子どもたちが日本のことを学習しています。
その一環として、
日本の文化について、今回わたしが授業させてもらえることになったのです。







教室に入ると、
今まで調べた内容が
とてもきれいに
掲示されていました。

うれしいです♪








去年は子どもの日について紹介しましたが、
今年は日本の四季を取り上げることにしました。



去年に引き続いて
今年も浴衣を着ました。
こんな服装の人を
普段見ないので、
子どもたちは興味津々です。

授業では、
まず最初に、
4つの季節の言い方を
紹介しました。




次に、
適当に4チームに分けて、四季に関する3択クイズ大会を行いました。




各季節ごとに
1点から4点までのレベル別問題を用意し、
チームで相談して、答えを一つ選びます。








話し合いの様子。
チームで相談する姿は、
とてもかわいらしかったです。









クイズが終了した後、
各チームの合計得点を出し、
順位を決めました。

そして、
ピカチュウメダルを贈呈。









1等は金のほっぺ、
2等は銀のほっぺ、
3等はパールのほっぺ、
4等赤いほっぺです。

毛糸を通して、首にかけられるようにしました。







授業が終わった後、
生徒たちが
ブラジルの文化を
教えてくれました。

伝統的な
歌とダンスです。








そして、最後にプレゼントを渡しました。
去年は折り紙で作ったこいのぼりの袋にキャンディを入れたものでしたが、
今年は、それぞれの誕生月のモチーフ入りの栞にしました。




ひな祭りや七夕など、
各月のシンボルを
折り紙で作りました。

空いているスペースには
その子の名前を
カタカナで書きました。

とても喜んでくれて
よかったです。





授業の様子を少しだけ動画にしました。
↓ ↓ ↓ どうぞ ↓ ↓ ↓


2011-09-23

Bullying ~後編~

前回からの続き、「Bullying(いじめ)」に関する授業の様子です。



こちらで授業をするとき、
授業の形式はなるべくブラジルに合わせてきました。

でも、今回は日本のいじめに関する内容だし、
大きなテーマなのでしっかり考えさせたいと思い、
思い切って日本でやってきた授業(特に道徳)の形式で行うことにしました。




①まず、机はコの字型にしました。
これによって、話している人の顔を見て聞くことができます。



ブラジルでは発言するとき
座ったままのことが多いです。

でも、今回は
発言者は立って話し、
それ以外は
その人を見るようにしました。







ブラジルでは、
思ったことを思ったときに思ったように
自由に発言することがよいとされている感があります。
確かに、大事なことです。
一人の何気ないつぶやきから、授業の方向が大きく変わることもあるものです。

でも、
挙手をして指名された後に立って発言するとなると、
より考えて意見を言うようになります。
話し方も、聞き手のことを考えたものになります。
これも、とても大事なことだと思います。

実際、今回の授業で、生徒はよく考えて発言していたと思います。
発問すると、すぐにたくさんの手が挙がり、うれしくなりました。





②生徒の意見を板書しました。
(と言っても、わたしは書くのが遅いので、担任の先生に手伝ってもらいました。)





写真は、
物語を途中まで読んだあと、
続きを予想させたときの一部です。

数人に意見を聞き、
同じ考えをもった人数を把握します。
また、
授業のまとめや展開に関わる
キーワードにはラインを引きます。





生徒の意見をどんどん板書するこの習慣を、ブラジルで見たことはまだありません。
授業の内容を黒板一枚で組み立てることも、ないと思います。
でも、全体の意見を書いて視覚化すると、話し合いや理解が深まると思います。





③テーマや登場人物など、予め作っておけるものは用意しておきました。




前にも書きましたが、
うちの学校の黒板は
磁石がつかない!!

貼りものに頼るのは嫌いですが、
これがあると
余計な板書に時間がとられず、
話し合いにたくさん時間を
割くことができます。







④机間指導



特に重要な課題に対しては、
まず書かせるようにしています。

机の間をまわって、
質問やアドバイスをしながら
個々の意見を把握します。
その後、キーになる意見を
書いている生徒を指名し、
発表してもらいます。

机がコの字だと、
意見把握がしやすいです。





ブラジルの学校で、今までたくさんの授業を見学してきましたが、
質問・回答のやりとりがかなり個別でもったいないなといつも感じます。
せっかくいい質問が出たのだから、クラスみんなで共有すればいいのに!!
「みんなで考える」という日本の授業スタイルの方が、
いろんな意見が出るし、人の意見を聞くことは大事だし、わたしは好きです。

でも、この「みんなで」という意識が強すぎると
前編で書いたような、間違った方向の集団意識へとつながるんだと思います。
難しいですね。。。






今回の授業をとおし、
傍観者もいじめに加担していることや、生きる力を奪ういじめのおそろしさ、
困っている友だちがいたら手を差し伸べてほしいことなどを伝えました。

違う国のできごととはいえ、
生徒たちは同じくらいの年齢の少女の身に起こった事実ということで
とても真剣に考えてくれたと思います。

普通クラスで授業をするのは楽ではないけれど、
とてもやりがいがあるので好きです。
ブラジルの子どもたちの生の意見を聞けるのも、とてもおもしろいです。

金曜日には、午後のクラスで同じ授業をします。
重いテーマですが、活発な意見交換ができるといいなと思います。




Bullying ~前編~

久しぶりに、5年生の教室で授業をしました。


今学期、わたしの学校では「いじめ」に関する活動を行っています。
(ブラジルでは、「いじめ」に当たる言葉に英語の「Bullying」を用いることが多いです)
本を読んだり、調べ活動をしたり、まとめとして掲示物やポスターを作ったりと、
学年ごとに、いろいろな方向から取り組んでいるようです。

そんな中、5年生の担任の先生方と話すうちに、
日本のいじめについて、授業をしてほしいということになりました。
重いテーマだけに、わたしのポル語力で大丈夫なのかという不安はありましたが、
昨日(21日)、挑戦してみました。




今回、
わたしが題材として選んだのは
この絵本です。

松谷みよこさん(文)、味戸ケイコさん(絵)の
『わたしのいもうと』。




日本にいるときに買ったもので、今回、急いで送ってもらいました。

転校先で、「いもうと」がクラスメイトから酷いいじめを受け、
家族や医者の助けもむなしく、命を落としてしまうという、実話に基づく作品です。
最後のページにある、
「わたしをいじめたひとたちは、もう わたしをわすれてしまったでしょうね。
あそびたかったのに。べんきょうしたかったのに。」
という言葉には、胸が詰まる思いがします。

絵も印象的で、「いもうと」の顔はどのページにも出てきません。
後ろ姿のみが描かれ、心を閉ざしてしまった彼女の心情を静かに伝えています。

とても力のある題材なので、
きちんと読み聞かせをすれば、
多くを語らなくとも、子どもたちが感じるものがきっとあるに違いないと考えました。
そこで、
訳した文を語学学校の先生に添削してもらって、丸暗記しました。





緊張したので
詰まってしまう場面も
ありましたが、
生徒たちは
真剣に聞いてくれました。

それは、
やっぱりこの絵本の力なのだと
思います。




 





ブラジルでも、いじめは深刻な問題としてメディアで大きく取り上げられ、
いじめに関する授業を行う学校は増えていると聞きます。

でも、ブラジルには本当にいろいろな人がいて、
肌・髪・瞳の色も違うし、体型や顔のつくりだって、文字通りの「十人十色」です。
だから、ブラジル人は日本人に比べて違いを受け入れる能力が高いと思います。
日本人は、ほとんど日本人しかいない環境で暮らしているがゆえに
ちょっとした違いに敏感です。
そのうえ、自分を他人と比べて劣っている部分を観がちなので、
どちらかというと「違い=欠点」と考えることが多い気がします。

その結果、「みんな同じ」という集団意識の強さのあまり、
ほんのちょっとした違いが原因なのに、
いじめは陰湿で残酷で、終わりがないものになってしまうのだと思います。
加えて孤立化。
これらの性質は、日本のいじめ特有のものではないでしょうか。




海外で暮らしてみて、
とても閉鎖的な日本の一面を、
情けなく、もったいなく感じるようになりました。
わたしは日本が好きですが、
もっとみんなが幸せに生きられる国になればいいのにと、心から思います。




授業の様子については、次回書きます。