2011-09-23

Bullying ~後編~

前回からの続き、「Bullying(いじめ)」に関する授業の様子です。



こちらで授業をするとき、
授業の形式はなるべくブラジルに合わせてきました。

でも、今回は日本のいじめに関する内容だし、
大きなテーマなのでしっかり考えさせたいと思い、
思い切って日本でやってきた授業(特に道徳)の形式で行うことにしました。




①まず、机はコの字型にしました。
これによって、話している人の顔を見て聞くことができます。



ブラジルでは発言するとき
座ったままのことが多いです。

でも、今回は
発言者は立って話し、
それ以外は
その人を見るようにしました。







ブラジルでは、
思ったことを思ったときに思ったように
自由に発言することがよいとされている感があります。
確かに、大事なことです。
一人の何気ないつぶやきから、授業の方向が大きく変わることもあるものです。

でも、
挙手をして指名された後に立って発言するとなると、
より考えて意見を言うようになります。
話し方も、聞き手のことを考えたものになります。
これも、とても大事なことだと思います。

実際、今回の授業で、生徒はよく考えて発言していたと思います。
発問すると、すぐにたくさんの手が挙がり、うれしくなりました。





②生徒の意見を板書しました。
(と言っても、わたしは書くのが遅いので、担任の先生に手伝ってもらいました。)





写真は、
物語を途中まで読んだあと、
続きを予想させたときの一部です。

数人に意見を聞き、
同じ考えをもった人数を把握します。
また、
授業のまとめや展開に関わる
キーワードにはラインを引きます。





生徒の意見をどんどん板書するこの習慣を、ブラジルで見たことはまだありません。
授業の内容を黒板一枚で組み立てることも、ないと思います。
でも、全体の意見を書いて視覚化すると、話し合いや理解が深まると思います。





③テーマや登場人物など、予め作っておけるものは用意しておきました。




前にも書きましたが、
うちの学校の黒板は
磁石がつかない!!

貼りものに頼るのは嫌いですが、
これがあると
余計な板書に時間がとられず、
話し合いにたくさん時間を
割くことができます。







④机間指導



特に重要な課題に対しては、
まず書かせるようにしています。

机の間をまわって、
質問やアドバイスをしながら
個々の意見を把握します。
その後、キーになる意見を
書いている生徒を指名し、
発表してもらいます。

机がコの字だと、
意見把握がしやすいです。





ブラジルの学校で、今までたくさんの授業を見学してきましたが、
質問・回答のやりとりがかなり個別でもったいないなといつも感じます。
せっかくいい質問が出たのだから、クラスみんなで共有すればいいのに!!
「みんなで考える」という日本の授業スタイルの方が、
いろんな意見が出るし、人の意見を聞くことは大事だし、わたしは好きです。

でも、この「みんなで」という意識が強すぎると
前編で書いたような、間違った方向の集団意識へとつながるんだと思います。
難しいですね。。。






今回の授業をとおし、
傍観者もいじめに加担していることや、生きる力を奪ういじめのおそろしさ、
困っている友だちがいたら手を差し伸べてほしいことなどを伝えました。

違う国のできごととはいえ、
生徒たちは同じくらいの年齢の少女の身に起こった事実ということで
とても真剣に考えてくれたと思います。

普通クラスで授業をするのは楽ではないけれど、
とてもやりがいがあるので好きです。
ブラジルの子どもたちの生の意見を聞けるのも、とてもおもしろいです。

金曜日には、午後のクラスで同じ授業をします。
重いテーマですが、活発な意見交換ができるといいなと思います。




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