2011-02-21

ポル語で読破!!『電影少女』

先日、
桂正和の名作『電影少女』全巻を借していただきました!!

こちらでのタイトルは『Video Girl Ai』

以前から、
読んだことがある漫画をポルトガル語で読みたいなと思っていたので嬉しいです。

ずいぶん昔に読んだ作品ですが、大体の内容は頭に入っているので、
分からない単語が出てきても予想しながら読み進めることができるし、
会話独自の言い回しとかいろいろ勉強になります。





ブラジルのコミックは薄いので、
キリがつけやすくていいです。

でも、
読むのにめっちゃ時間かかります。
1巻当たり1時間くらいかなぁ。
※ちなみに
 『Video Girl Ai』は全26巻。
 日本だと13巻分の内容です。





さてさて、
日本の漫画は海外で大人気です。
漫画を通して日本に興味をもったり、日本文化を学んだりする方はたくさいます。
そのため、外国人にも理解しやすいように、いろいろな工夫がしてあります。
少し紹介したいと思います。






表紙にも裏表紙にも同じイラストが。
何のためでしょうか。





答えは、きっと日本の漫画独自の読み方にあるのだと思います。
漫画の製本の方向は、日本の縦書き図書(右綴じ)と同じ。
だから、海外の本(左綴じが基本)とは逆です。
本棚にしまうときは、他の本と同じ方向に表紙がないと探しづらいし、
実際に読むときは右綴じの方向に表紙がないとおかしい。
だから両方が表紙になってるのかなぁ、と勝手に推測しています。





左綴じの方向でページを開くと、
「こっちは反対ですよ」という注意書きが。











その注意書きの下には、
コマや吹き出しを読み進める順番が
説明されています。

日本人は既に習慣化しているので
無意識で読めますが、
日本のコミックを初めて読む
外国人にとってみたら
こういう説明書きも必要なのですね。






                                          

それから、
日本語はオノマトペが豊富な言語だということも、漫画を通して再認識できます。
漫画のあらゆるところに登場する擬態語や擬声語の種類は実に豊富。




  





漫画に登場する擬音語や擬態語は、
活字としてではなく
絵の一部として描かれているため、
そのオノマトペに近い言葉が
コマの外などに書かれています。








上の写真のように、擬音語・擬声語は比較的そのまま訳されています。
ですが、難しいのは擬態語です。
日本人にしかわからないような感覚を表す言葉は、訳すのが難しいです。






広がる妄想を表す「ポワワン」という言葉。
こういうのはポルトガル語には無いようで、
代わりに
「Que maravilha...」(あぁ、すてき。。。)
なんていう言葉が左下の方に書かれています。





やっぱり日本語の語彙数は多いなあと実感します。



そして、キャラクターの名前とそのキャラクターの人物像の関係も、
違う言語圏の読者に伝えるのは難しいことです。
日本語話者なら、
「のび太」という名前からは、のんびり屋な性格を思い浮かべるし、
「河合伊代菜」は美少女だって想像がつくし、
「喪黒福造」なんて、超怪しい雰囲気満載だと感じるはず。
登場人物のネーミングは、漫画のおもしろさを生む大切な一部だと思います。

今回の『Video Girl Ai』の主人公は、
弄内洋太(もてうちようた)という少年です。
女の子に全然人気が無いことから、
「もてないようだ」というあだ名をつけられています。

日本人なら、
「内」という漢字が 「ない」とも読めることからついたあだ名だと すぐ分かります。




左のコマの右側の吹き出しには、

「オレは“もてない”じゃない。
“もてうち”だ。」と書いてあるのですが、
この内容、
どこまでブラジル人に伝わるのだろう。





                                                             
こういう問題を解消するため、
ポル語版コミックには脚注が設けられています。





真ん中あたりに
「『もてないようだ』は洋太のあだ名で
一種のダジャレである。
人気が無いという意味だ。」という
注意書きがあります。
さらには「売れ残り」という単語まで。
けっこう厳しいです。。。







まだ2巻までしか読んでいませんが、
いろいろな発見があってとても楽しいです。
日本語の難しさやおもしろさも分かるし。

同時に、ポルトガル語の会話表現も学ぶことができて、
漫画ってすごいなあと思います。


がんばって早く全巻読むぞ!!






VIDEO GIRL AI a série
Edição brasileira
Masakazu Katsura
Japan Brasil Communication

 
         
                                                        

2011-02-19

久しぶりの授業

金曜日に、新年度初の授業をしました。

長縄大会で日本に行く生徒たちが、
日本の文化や習慣を事前に少しでも知れるようにというのが授業の目的です。

日本にいたら当たり前のことでも、
ブラジルの子どもたちにとってみたら
全然普通じゃないことってたくさんあります。

   水道水が飲めるとか、
   トイレのゴミは便器に流していいけど床や地面にゴミを捨ててはいけないとか、
   あいさつのときに抱き合ったりキスをしたりはしないとか。

わたしも去年こちらに来て驚いたことがたくさんあったので、
その辺のギャップなどの体験談を交えながら、全3回の講義内容を考えています。




第一回は、
あいさつなどの簡単なフレーズと、ジェスチャーについて扱いました。

ブラジルに到着してすぐに受けた語学訓練のときに
「やってはいけないジェスチャー」をいろいろ教えてもらったのを思い出し、
それを再利用しながら進めました。
ブラジル人が会話で使うジェスチャーは本当に豊富。
中には日本ではやってはいけないものや、その逆のものなどがあって
それを知るだけでも面白いです。
(今日は時間がないのでまた別の機会に紹介したいと思います)

生徒たちからは質問もたくさん出て、みんな意欲的に取り組んでくれました。
でも、授業をするのは久しぶりすぎてめちゃくちゃ緊張したので、
早く感覚を取り戻したいなと思います。



3月には、引率の保護者対象の講座も行う予定になっています。
生徒や保護者、そして引率教員の
日本に対する不安や疑問を少しでも解消し、
リラックスして大会に臨めるように努めたいです。

                                                                         

2011-02-17

学校視察レポート⑤

火曜日の午後、
配属先のある先生が、以前勤めていたという学校に連れて行ってくださいました。




車で15分くらいのところにある、
日本でいう小中学生の子どもが通う
公立学校です。









月曜日に訪れた学校同様、
校内はとてもきれいでした。









なぜかカバンを背負ったまま
授業を受ける少年。
以前紹介した支給カバンです。



                                          
                                                             
制服はほぼ全員が着用していましたが、
この教室には
この少年以外に支給カバンを持った子はいませんでした。
やっぱり政策の空回り感はあるなぁ。。。
                                                             

午前中は、1年生から5年生までの生徒、
午後は、6年生から9年生までの生徒が通っています。
そして夜間の部もあり、6年生から9年生までの授業を行っていて
大人も通っているそうです。
                                                             
生徒数は800人くらい。
1クラス当たりの人数は30人以下が多く、私語がちょっと多いものの、
全体的に授業に前向きに取り組んでいるようでした。
でも、やっぱり、私立と公立では人種というか肌の色がちょっと違うなと思います。
日系の生徒が全然いなくて、わたし、すごく目立っていました。





ランシの時間。
学年ごとに1階の食堂へ。
とても狭いスペースで、
子どもたちは
体力を余らせているように思いました。


                                          
運動場で思い切り走ることのできる日本の環境って、当たり前ではないんだなと
改めて感じさせられます。
                                                             


さて、
今回の学校見学で一番心に残ったのは、「いじめ」に関する授業です。
歴史の先生が独自に行っているもので、
どの学年でも「いじめ」について勉強するのだそうです。



5年生の教室の外には、
「いじめ」の授業で作った
掲示物が貼られていました。







                                            
周りの人へのメッセージを、
自分の言葉でそれぞれ書きます。
「あなたが家族や友人に囲まれますように」とか
「あなたが笑顔で
今年の最後の日を迎えられますように」など。






このカードの最後の一文、
「だって
あなたはとてもすてきな人なのだから」
という部分がいいなと思いました。





                                              


「いじめ」について学ぶときに、
愛子様の新聞記事も取り上げられたそうです。
ちょっと肩身の狭い思いをしました。。。







この授業のメインは、みんなで一つのゲームを作る活動です。






このグループは、
何やら紙を長く貼っています。








別のグループは
四角い箱を作っています。
聞いてみると、「サイコロ」なのだそう。








「いじめ反対!」の
旗をデザインするグループも
ありました。







こちらは
大きなポスター作りです。









このグループは
紙に数字を書いています。
どうやら
さっきのサイコロの目のようです。








一番最初の長い紙のグループ。
字を書き始めました。
「いじめに参加しない。3コマ進む。」
そうです。
みんなで「いじめ反対すごろく」を作っているのです。


                                                             

個人活動が優先されがちなブラジルの多くの学校では、
こうしたグループ活動を最近なかなか見てなかったのでとても新鮮でした。
やっぱり、一人ではできないことをみんなですることができるのが、
学校の良さだと思います。

                                                             


今回の見学で、公立学校にもいろいろあるんだなぁと学ぶことができました。

2011-02-15

学校視察レポート④

今日は、ブラジルでトップレベルの大学である
サンパウロ大学(USP)に行ってきました。

USPのキャンパスはサンパウロ州内にいくつかあるのですが、
今回はその中で一番新しいUSP Lesteを訪れました。
家からけっこう近いのです。

なぜ今日来たかというと、
新入生の入学風景を見たかったから。
日本の入学式とは違う、ちょっと変な習慣があると聞いたのです。





新しいだけあって、
大学構内はとてもきれい!!








食堂の天井はガラス貼り。
二階から見下ろせるようになっています。
学食って、なんかいいです!!
なんか懐かしくなりました。







掲示版には、
アパートなどの斡旋が。
サンパウロ外の出身者が多いため、
こうした情報が必要なのだそう。




                                          
                                          
                                          
校舎裏の少し広い広場に、
パネルが何枚か建てられていました。
難関を突破した新入生たちが
記念に名前やメッセージを書くのです。
あこがれの大学に入れて
うれしいだろうなぁ。





おや?
パネルの先に
何やら人だかりができています。


近づいてみると…



                                          
                                          
体がペンキだらけになった男性を発見!!
Tシャツは中途半端な丈になっています。


 
                                         
                                          
                                          
                                          
こちらでも同じような光景が…。
右に写っている女性の手には、
なんとハサミが!!
                                          
                                                             
                                          
                                                             
ブラジルでは、
大学に入学すると、まず初めにこうした先輩の「洗礼」を受けるのだそうです。
ペンキを頭からつま先まで塗られたり、
服や髪を切られたり、
泥の池に落とされたり…。
                                                             
なぜそんなことをするのか分からないけれど、多くの大学で行われています。
                                                             
中には、走って逃げる新入生もいるらしいです。
ブラジル人は瞬発力はあるけど持久力がない人が多いので
すごいダッシュで追いかけてくる先輩でも、100mくらい走れば振り切れるそう(笑)。
でも、そのかわり「『洗礼』を受けなかった新入生」として臆病者扱いされるなど、
いろいろと厄介なことが学生生活に付きまとってくることもあるらしいです。
意味がわからない!!
                                               
                                               
                                               
                                               
女の子だって容赦されません。
奥に写ってる子なんて、
黒いペンキで髭描かれてるし。

                                                
    
 
                                         
                                              
                                              
見た感じ、
この人はたぶん何年も勉強して
念願の入学を果たしたのだと思います。
普通に髪切られてるけど
抵抗する気は全然ないっぽいです。


 
                                             
                                              
みんなこのままの状態で帰るらしく…。
電車に乗るのは超恥ずかしいと思います。
ほんと意味がわからないです。

日本では、新歓コンパでビールの一気飲みをした新入生が
急性アルコール中毒で命を落としたというニュースをよく聞きます。
ブラジルでも同じようなことがあって、
暴力行為まがいのようなことに発展し、重症を負うケースもあるそうです。
命を落としてしまった新入生もいたため、
最近はこうした「洗礼」を禁止する大学も出てきたようです。
それはそうですよね。
せっかく一生懸命勉強して入ったのに、こんなことで命を落としたら本当に悲しいです。
                                                             
ブラジルでは、学生時代も社会人になってからもあまり上下関係は無いと感じます。
それなのに、なぜ大学一年生だけ…。
考えれば考えるほど、意味がわからないです。



記念に買った
環境管理学部の「新入生セット」。
学部ごとにブースがあって
パンフを配ったり
グッズを販売したりしていました。                               
                               
これを着て大学内を歩いていたら、
わたしも
ペンキまみれになったことでしょう。

                                                             
                               
                                                             
また一つ、ブラジルの新たな一面を発見できました。




学校視察レポート③

今日は、前回お伝えした日本語学校の隣にある公立学校を紹介します。

訪れたのは、日本でいう小学生と中学生に当たる生徒が通う学校で、
Américo Sugaiという日系人の方が創設者です。
でも、実際は日系人の生徒はとても少ないです。





創立は1972年。
できてから40年近くになります。








それでも、
古さを感じさせない教室で、
落ち着いて学習に取り組める
きれいで整った環境でした。







先生の質問に対する挙手も
多かったです。
子どもたちは
授業に意欲的に参加していました。





さて、ブラジルでは公立の学校は大学まですべて無料。
単純に考えると、
小学校から大学まで公立に通えばいいのではと思いがちです。
                                                             
しかし、一番お金のかかる大学時代を公立で過ごそうと考える人が多ければ
公立大学入試のレベルは当然上がります。
そして、その難関を突破するためには準備期間が必要。
ブラジルは、警察や教員など公務員に対する待遇の充実度が日本に比べて低く、
賃金の低さなどからストライキが起こることもあるので、
公立学校では充実した教育の実現が難しい状態にあります。
                                                             
その反面、私立学校では、
セキュリティや教材などのレベルが高く、安定した教育が受けられます。
当然ながら学費も高いですが、
その分教員の給料も高いので、結果的に教育の充実度は上がります。
(もちろん、教員はお金に関係なく教育に対して真摯に取り組むべきだと思いますが、
待遇があまりに悪いと、仕事への意欲が激減してしまうのは理解できます)
                                                             
こうした理由から、公立大学に入ろうとするならば、
学費が高くても高校までは私立学校に通う方がよいとされているのです。
よって、
公立の小中高校に通う生徒には生活水準の低い家庭の子どもが多くなり、
そうすると、子どもの教育に関する親の関心の低さも問題になってきます。
                                                             
政府は、この政策として、公立学校に通う生徒をもつ家庭に対して
カバン、学用品、制服などの学校に必要なものを無償で支給しています。

                                          
イスにかけられた政府支給のカバン。
この学校では
支給カバンを使っている生徒が
比較的多かったです。
ですが、
制服はほとんど着ていませんでした。
                                          
                                          
このように、政府が支給しても使わない場合がけっこう多く、
政策の空回り感は否めません。
他にも、粉ミルク2kgが年間2パック支給されているそうです。
しかもNestle(ネスレ)のおいしいやつらしいです。
びっくりしましたが、食料がからむと、
生活に困っている家庭であっても、教育への関心が少しは増すだろうと
考えられているからだとか…。
                                                             
日本でも話題になったけれど、
家庭の生活水準と子どもの学力はやっぱり比例するのかなぁ。
すこしさびしい感じがします。
                                                             
実際に、わたしの勤める学校(私立)の生徒たちは、
宿題を親に見てもらったり、工作を一緒に作ったりして学校に提出しています。
ですが、公立校に通う子どもたちは親と一緒に家で勉強することが少ないようで、
学力がなかなか伸びない子どもが多いように感じました。
加えて、先述のストライキなどが理由で授業が遅れることもあるので、
その年によって学習進度が違うということも起こるそうです。
                                          
3年生の算数では、
数字の穴埋めに取り組んでいました。
0から49までの数字を順番に書くのです。
                                          
                                          
                                          
わたしの学校では、2年生で掛け算と割り算をすでに習っています。
(ただ、それも少し早すぎるので、ついていけていない生徒もがいるのも実際ですが…)
こうした現状を目の当たりにすると、
子どもの発達段階を考慮した学習指導要領が
どこの学校でもきちんと実施できる環境にある日本との差を感じます。
                                          
支援の必要な生徒には、
先生がマンツーマンで教えていました。
でも、その間
ほかの生徒はずっと自習です。
安定した教育を提供する難しさを
実感しました。

                                                             
ところで、
この学校には、隣にある日本語学校で午前中勉強した子どもたちも通っています。
日本式のしつけに基づく教育を午前中みっちり受けてきた生徒たちですが…、



机の上にはジュース!!
やっぱり、
なかなか教育は浸透しないものです。
                                         
                                         
                                                            
「飲食禁止」とか「姿勢を正しく」とか、目の前にいる子どもに注意できても、
実際にその子がそれを理解していないと、生きた教育になりません。
この子たちが悪いのではなく、
授業している先生もドリンクを机上に置いているから、仕方ないのです。
(ブラジルの学校では、授業中の飲食は日本ほどタブーになってない)
                                                             
子どもは環境によって大きく変わっていくものです。
変えられる環境とそうでない環境があるし、
環境に応じて自分が変わるべき場面と変わらずにいるべき場面もあるので、
教育現場って本当に難しいなと思います。
                                                             
それでも、将来子どもたちが自分の行動を選ぶときに
それぞれの学校で学んだことが一つの判断材料になるといいなと思います。
                                                             
                                                             
なんかダラダラ書きましたが、
今回の公立学校見学は
収穫が多くてとても貴重な体験になりました!!

2011-02-14

学校視察レポート②

今日は、モジダスクルーゼスで活動している同期ボランティアの協力を得て、
ピンドラーマにある日本語学校とその隣の公立学校の見学に行ってきました。

日本語学校も公立学校も、なかなか見学できない場所なので
一日で2つとも見られるなんて、とてもありがたいことです。

今回は、午前中に見学した日本語学校の様子をお伝えします。




こちらの日本語学校には、3歳から17歳までの生徒が30人くらい通っていて、
そのほとんどが日系人です。
午前・午後に分かれていて、午前の部の生徒たちは午後から隣の公立学校に通い、
午後の部には高校生(午前中に高校に通ってからこちらに登校)がやってきます。

先生は、
日本から25年くらい前にブラジルにいらっしゃった大阪出身の方で、バリバリの関西弁!!
ポルトガル語も少し混ぜながら、テンポよく生徒と会話を進めていきます。
まだ日本語を始めたばかりという生徒も多いようで、
分からなかったり恥ずかしかったりしてあまり話さない生徒もいましたが、
それでもとにかくどんどん話させようとする姿がとても印象的でした。
やっぱり、言語は使わないと身に付かないものです。
わたしもポル語をもっと使わなきゃ!!




音楽や書道の授業もあるようで、
掲示物が日本の学校みたいでした。
しばらく見慣れていなかったので、
すごく新鮮に感じました。





ちなみに、音楽の授業では、嵐の歌などを歌うそうです。
実はこの先生、ものすごい年季の入ったジャニーズファンなのです。
子どもたちが登校する時間、教室のテレビでは嵐のDVDが流れていました(!!)。




本棚には、日本の本がいっぱい。
国語の教科書などもありました。
これらの多くは、
先生が日本から持ってきたのだそうです。








「りぼん」や「マガジン」も
たくさんありました。
これを持ってくるのは
大変だったことでしょう…。








さて、その先生の教室の隣では、
一期前のボランティアの先生が授業をしていました。
2つのクラスはレベル別になっていて、
年齢に関係なく、日本語能力試験の結果でクラスが変わるそう。




こちらの教室の
生徒数は12人くらい。
中には、
日本に何年か住んでいた子もいます。




上の写真は、先生の話を聞く生徒たちの様子。みんな姿勢がいい!!

というのも、先述の先生が初級クラスを指導するときに、
授業を受ける姿勢についてしっかり教えているからだそうです。
授業中に飲食は禁止とか、きちんと前を向いて座るとか。
日本の感覚からすると当たり前のことなのですが、
ブラジルの学校では、
授業中に席を立って水を飲みに行ったりトイレに行ったりすることが日常茶飯事です。
わたしも既にそれに慣れてきているので、
この日本語学校の生徒たちを見て、何だか不思議な感じがしました。
でも、やっぱり大事なことだと思います。




この教室では、
わたしたち見学者の名前を
黒板に書いてもらって
自己紹介をしました。





その後で、生徒たちも一人ずつ自己紹介をしてくれました。

内容は、「はじめまして。」から始まって
名前、年齢、好きなもの、嫌いなもの、質問です。
先生の「みんな同じ内容はダメだよ。」という注意どおり、
子どもたちは一生懸命に考えて自己紹介をしてくれました。
すらすら言える子が多くて、レベルの高さに驚きました。





自己紹介中の写真です。
話している子は写っていないけれど、
その子がどこにいるか分かるでしょう?

話し手の方をみんなが向いて聞く
という「聞く姿勢」の指導が
きちんとされているのだなぁと感心しました。





一生懸命に日本語の勉強に取り組む彼らですが、
日本語を学ぶ理由は自らの意志でなく、
両親や祖父母の影響が強いのだそうです。

それでも、頑張って日本語を勉強する子どもたち。
彼らが、日本語を学ぶ意義をそれぞれに見つけられるといいなと感じました。


                                                             

次回の記事では、この学校の隣にある公立学校の様子をお伝えします!!                                               

2011-02-10

学校視察レポート①

ブラジルはとにかく広い!!
だから、学校も場所によって全然違います。
自分の配属先以外の学校についても知っておかないと、
ブラジルの学校に対するイメージが偏ったものになってしまいます。

実際に、去年見学した学校もそれぞれ特徴があって、
一口に「ブラジルの学校」とは括れないのだなと実感しました。

そこで、今年の目標に「1つでも多くの学校を見学しに行くこと」を掲げました。
今週の火曜日には、近所の私立校であるマルピアラ学園に行ってきました。
普段からいろいろお世話になっているカルロス先輩が勤める学校です。
自宅からバスで10分くらいで行けるとても近い学校なのですが、
今までなかなかチャンスがなかったのです。





マルピアラ学園は
まだ開校して10年くらいの
新しくてきれいな学校です。








幼稚園児用の遊び場は
緑がいっぱいで
とても明るい空間でした。







運動場とまではいかないけれど、
体育が外でできるスペースがあり、
高校生の生徒たちが太陽の下で
のびのびとバスケをしていました。








図書館は
小さいけどとてもきれいで、
配置の仕方など工夫してあって
本屋さんみたいでした。






この学校は
読書活動に力を入れていて、
2010年は有名な作家を
多数招待したのだそう。
学年や学習内容に合わせて
行われた作家の講演会のリストが
掲示されていました。






                                          
映画化されて日本でも公開になった
「縞模様のパジャマの少年」の作者、
ジョン・ボイン氏もこの学校を訪れています。
すごい!!




                                          

読書への興味づけをするために、
小さい子どもには、本の世界の導入として
人形劇で物語を聞かせていました。
カゴの中から次々に人形が出てきて、
子どもたちの目は釘づけでした。




この人形劇の先生は、演劇の授業も担当しています。
カルロス先輩いわく、とても魅力的な授業なのだそう。
残念ながら演劇の授業を参観することはできませんでしたが、
こうした取り組みをしている学校は、ブラジルではとても稀だと思います。



                                          
さて、                                          
ある教室でゴミの山を発見。
でも、これは捨ててあるのではなく、
このゴミを使って工作をするのだそう。
環境教育にも力を入れているようです。




確かに、この学校は自然がたくさんあって教室もきれい。
吹き抜けになっているスペースからは木々を眺めることができたり、
室内にも小さなプランターなどが随所に置かれていたり。
「環境は人を育てる」という言葉のとおり、
生徒たちはとても明るく素直で、のびのびと学校生活を楽しんでいるように感じました。
                                                             
日本にいたときは、
教室やトイレに花を飾ることがあまり珍しいと思っていなかったけれど、
こちらに来て、やっぱり植物が身近にあるのっていいなぁと実感します。


最後に、
こちらは日本語授業の教室。
日本語カレンダーや日本語のパソコンもあって、
学習環境が整っていました。
授業は参観できなかったので
いつかまた来たいです。


                                                             
わたしの勤める学校も私立。
場所もすぐ近く。
しかも幼稚園から高校生まで通っているという点も共通。
でも、学校見学をしてみると、いろいろな違いが見えてきます。
どちらが良い・悪いというわけでなく、
多くの学校を知ることは意味があることだと思います。
                                                             
来週は、公立学校を2校見学しに行く予定です。
それから、日本語学校や日本人学校にも行きたいと考えています。
                                                             
日本に帰るまでになるべく多くの学校を見学し、視野を広げたいです。