2012-02-06

弓場農場の生活 ~後編~

先回に続き、弓場農場のレポートです。




見てください!!
焼き立ての豚肉。おいしそうでしょ。




前回の記事に書いたように、
この農場では
自分たちで食べるものを
全て自分たちで作ります。

ということは、
まな板の上のこの豚も、
この農場で育ったということです。








農場を訪れた日、「今から豚を一匹さばくよ」と言われました。

今までそんな経験したことなかったし、
農場に来てもなかなかその機会に立ち会えることはないということだったので、
せっかくだから見学させていただくことにしました。




豚小屋に着くと、たくさんいる豚の中から一匹が選ばれて小屋の外に出されました。
ベテランのRさんが手にしているのは、小さなナイフのみ。
しばらく豚から離れてタイミングを見計らい・・・


気づいたときには、もう心臓を一突きしていました。
本当にあっという間の出来事でした。


豚は傷口から血を流し、悲しそうな声を上げて倒れたのち、
しばらくして動かなくなりました。


その声があまりにも切なそうで、思わず顔を背けてしまいました。




そんなわたしをよそに、
Rさんとお手伝いの少年たちはトラックの荷台に豚を運びます。




荷台の上で丁寧に豚の体を洗っている
この写真の子はまだ14歳。
幼いときからこうした現場に
立ち会っているのだそう。







別の男の子(17歳)も一緒に、
豚の毛を剃っていきます。

お湯をかけて
皮膚をやわらかくしています。








この9歳の子は、
Rさんのアドバイスを受けながら
豚の足の爪を取ったり
指の間を丁寧に削ったりしています。





Rさんが見本を見せながら助言すると、
少年は「ハイ」と返事をして作業に集中していました。

こうやって、技術を後継者たちに伝えていくんだなぁ。





お腹を開いたら、
血や臓器を全て出して洗います。

大腸は捨てていましたが、
胃袋や腸など、
食べられる部分は全て食べるそう。




大まかに解体したら、あとは調理場の係に渡して献立を考えてもらいます。





一部のお肉は、
塩で味付けしてホイルで包み、
串に刺して蒸し焼きにしました。

待つこと20分強。
冒頭のおいしそうな写真の
お肉の完成です。







悲しそうな声を上げて、目の前で息絶えていった豚のことを考えると、
何だか食べる気がしなくなるという人もいるかもしれません。

でも、
自分の口に入るものが命をもって生きていたという事実を
肌で感じることができたと思うし、
食べるということの意味を学べた気がします。

「命は大切」と何万回聞いたって、なかなか実感できないのが今の世の中。
スーパーでパックに入って並べられているお肉ばかり見ていると、
自然の姿を想像できなくなります。
そこに命があったことなど忘れられてしまいます。

もとの姿を知るということは、自分が生きる上でとても大切なことだと知りました。




今回、Rさんと一緒にお手伝いをした9歳,14歳,17歳の少年たちの姿に、
たくましく生きる力を感じました。

2 件のコメント:

  1. すごく貴重な体験だね・・・
    生きてる魚をさばいているところを見るのでさえ、
    若干目をそらしたくなるけど、四足動物となるとなかなかショッキングだよね。
    感謝の気持ちを忘れずに食事しなくちゃね。。。

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  2. rie
    そうだねぇ。
    根本を知るって、大事なことだと思った。
    シンプルなことにちゃんと目を向けられる生活がしたいなぁ。

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